「このサイトに100万円支払ったんです。高いですか?」というお悩みを聞きます。
高いか安いかという視点だけで返答するならば「高い」と答えますが、そもそも何に対価を支払っているのか中身を拝見すると、多くのサイトの費用が「デザイン費用」に回されています。
豪華な演出が裏目に出て、かえって訪問者を遠ざけている例も少なくありません。最新のアニメーションや大きなビジュアルは確かに目を引きますが、ページの読み込みが遅くなることでユーザーはすぐに離脱し、機会損失を招いてしまいます。
Webサイトの「原価」は意外と安い
結論から言うとWebサイトの原価は数千円〜5万円程度。残りの費用はデザイン費用に回されています。
サーバー代やドメイン取得、CMS(WordPressなど)の導入費用を合わせても、だいたい数千円から5万円程度。非デザイナーでも無料で配布されているテンプレートを使えば、プログラミング知識がなくてもスムーズに構築できます。
Webサイトのほとんどがデザイン開発費用
運営者の多くが「ちょっとした見栄え」にお金をかけています。
例えば、「タイトルのところに記号をつけたい」「クリックするとテキストがふわっと開くようにしたい」など、ちょっとしたデザインの変更開発に数万〜数十万円かかることがあります。
業者によっては、運営者の好みを反映させるために、あえて複雑なレイアウトや動的エフェクトを盛り込み、見た目の豪華さを追求する場合が少なくありません。
集客に必要なアクセス機能はそこまで費用がかからない
一方で、アクセスを呼び込むための機能には、デザイン費用ほどお金はかかりません。
無料でもSEO機能いわゆるアクセスを呼び込むシステムは一通り揃っていますし、特に問題はありません。ほぼ経営者のエゴにも思えるほど派手なデザインやアニメーションに費用が支払われていると言っても過言ではありません。
ユーザーは「派手で美しいサイト」に興味を持っていない
ユーザーが求めているのは、派手さよりも使い勝手です。
ページ表示速度も遅いよりも速い方がいいですし、購入ボタンへの導線もまたぐページ数が少ないほどいい。不要な機能はページ読み込み速度を遅くし、サイト内を迷路状態にしてしまう。
にもかかわらず、お金を払ってユーザーの使い勝手を悪くするデザインサイトに疑問を持たざるを得ません。
「派手さ」の影に潜むデメリットたち
おしゃれなウェブサイトにありがちな「ふわっと画像を表示させる」「マーカーが動く」などの不要なアニメーションを取り込むサイトが増えています。
この機能は、ページ表示速度が著しく低下し、ユーザーがサイトを使用するまでにかかる時間(インタラクティブ化)に負荷をかけてしまいます。
表示が遅れるとユーザーは待ちきれずに離脱し、クリックさせる貴重な機会を失います。Googleはモバイルでの表示速度も評価しているため、重いサイトは検索順位が低下し、そもそものユーザー数が減少してしまいます。
お金をかけて、ユーザーと成約を減らしている事実
余計な動きや装飾は「どこを押せばいいのか」をわかりにくくし、サイト全体のコンバージョン率低下を招きがちです。
見た目に気を取られたユーザーは購入ボタン(CTAボタン)の存在に気づかず、クリック率が下がります。結果として、本来注力すべきコンテンツ改善や新機能追加が後回しとなるリスクを抱えます。
特にスマホ利用者が多い業界では、表示やダウンロードの遅延が致命的です。モバイルでは離脱率が高いため、軽量化は必須。また、装飾にばかり目がいくと、ブランドメッセージがユーザーの記憶に残りにくくなります。
世間の言うデザイン性と収益性は対極の位置にある
サイトデザインは洋服ではありません。洋服は自身を着飾るために着用しますが、ウェブサイトはユーザーのために作らなければいけません。
サイトは洋服のように「着飾る」ものではなく、ユーザーの目的を果たすための舞台装置です。過度な装飾をそぎ落とし、速さとわかりやすさを優先することで初めて、デザインと収益性は両立できるのです。
実際にサイトを使うのはユーザーなのに、ユーザーのためではなく運営者の好みで彩るのは、「私の美しさを理解してよ」と言わんばかりの押し付けでしかありません。
意味のない不要なアニメーションはユーザーの視線をあえて引きつけ、惑わし、離脱させる、邪魔でしかない要素に成り下がっているのです。そこに数十万円以上の価値があるとは到底思えません。
シンプルなサイトで十分集客できる
情報過多の時代だからこそ、「あれもこれも」を詰め込んだ豪華サイトより、必要な要素だけをキチンと配置したシンプルなサイトのほうがユーザーを逃しません。
集客力の本質は「見た目の派手さ」ではなく、「速さ」「わかりやすさ」にあります。無駄をそぎ落としたシンプルサイトこそ、コストを抑えつつ高い効果を発揮できます。
むしろシンプルなサイトこそが、機能性が高い
余計なアニメーションを削ぎ落とすことでページ表示速度が向上し、ユーザーはストレスなく必要な情報にたどり着けます。
つまりは、シンプルなデザイン設計はユーザーの目線を誘導しやすく、次にどこを見ればいいのか自然とわかる設計にしやすく成約率を高めることができるということです。要は、成約ボタンを目立たせればよく、それ以外は目立たなくても構いません。
費用をかけるべきは「派手さ」ではなく、「ユーザーの満足度」。その視点に立てば、無料ブログでも高額サイトでも、サイトの本当の価値を発揮できるはずです。
真に収益性の高いサイトは「運営」にお金をかけている
現在、論破王として知られる西村博之氏(通称ひろゆき)は、ブログ運営にかかるランニングコストをできるだけ抑えることを強調しています。
彼は「無料ブログサービスで十分」と断言し、無料サービスなら初期投資ゼロで始められ、アクセスが増えたタイミングでお金をかけるサービスに移行しても遅くはないと主張しています。
ひろゆき氏のブログ術は、コストを最小化しつつ自分の強みを最大限に活かし、読者に価値を届けることの方が重要性だと話しています。
大事なのはデザインではなくどう運営していくか
華やかなビジュアルや最新トレンドのデザインは確かに目を引きますが、サイト運営の本質は「いかに継続的に価値を提供し続けるか」にあります。
どれほど美しいホームページでも、更新が途絶え情報が古びていればユーザーは離れ、検索エンジンの評価も下がります。反対に、シンプルな構成でも定期的に新記事を公開し、読者の疑問に丁寧に答える運営を続けるサイトは、信頼を積み重ねながら着実にアクセスを伸ばします。
まずは、運営に力を入れるべく計画を立てつつコンテンツを投稿していきましょう。デザイン費用を運用費に回す方が収益性を向上させることができるでしょう。
運営コストが高いと感じるなら時間を費やすべし
それでも運営コストを抑えたいのなら、無料ブログや既存CMSを活用しながらも、分析ツールやメール配信システムなど必要最低限の投資は惜しまないこと。
これにより、デザインに左右されない「持続的成長の仕組み」を構築できます。
デザインは飾りではなく、運営を支える足場の一部に過ぎません。本当に大切なのは、地道な更新と改善を続けることであり、ここにお金と工数をかけることこそが、収益性の高いサイト運営を実現する鍵なのです。
まとめ
特別なデザインを頼まなくても、ユーザーに寄り添ったコンテンツと見やすい構成を心がけることで、検索エンジンやSNSからの流入を効率よく集めることが可能です。
ユーザーの行動を妨げず、運営者の作業効率も向上させるシンプルなサイトこそが、長期的には最も機能性が高いと言えるのです。デザインとは飾り立てることではなく、ユーザーの目的をサポートするための道具であるという、本質を改めて考えてみましょう。
運営者のエゴになっていないか、今一度自社サイトを見直してみてください。