あなたの作るコンテンツがハッキリ言って「面白くない」理由

いま、あなたがスマホを開けば、どこかの誰かが何かを発見したかのように感じる動画や記事が無数に流れてきます。それはまるで情報の大海に浮かぶ無数の氷山。

この情報洪水のなかで、世紀の大発見を狙っても、氷山をかき分けるような一撃コンテンツはめったに生まれません。大量の動画や記事の海に、新たな島を作り出すのは至難の業です。

目次

プロ級の「面白さ」を素人が再現するのは困難

お笑い芸人が何日もネタを考え、舞台で何度も練習して生み出した渾身のボケでさえ、毎回必ずウケるわけではありません。

それを一つのコンテンツで完璧に再現するのは、プロのでさえも至難の技。それを素人が「自分にならできるはず」と考えるのは、ちょっとおこがましいと思いませんか。

もはや世の中には、二番煎じのネタしか溢れていない

キツいことを言うようですが、あなたの作るコンテンツは面白くありません。かくいう私もです。

ここで書く内容はすでにプロの方が言い切ってきた事実ですし、二番煎じどころか、百番煎じレベルです。youtubeを見てください。一番再生数の多い動画は何ですか?あなたのおすすめに出てくる動画は「こんな面白い動画見たことない!」というレベルのものでしょうか。

恐らく「どっかで見たネタだし、はっきり言ってクオリティはそんなに高くない」ものだと思います。

では、なぜあなたはその動画を再生し続けているのでしょうか。

選んでいるつもりで、誰も選んではいない

コンテンツを再生している理由は、アルゴリズムのせいです。再生数や閲覧数が伸びるコンテンツは「面白いから自然と選ばれる」のではありません。

YouTubeやTikTok、Instagramのアルゴリズムがあなたの興味にマッチしそうな動画を先回りして表示しているからです。

つまり、いいねやコメントが多いから人気というより、アルゴリズムが「アンタ、この動画好きっぽいから」と判断したものが勝手におすすめ欄に表示再生され、その結果視聴数が増えているにすぎません。

「人」に届ける前に「機械」がコンテンツを選別している

ここでいう機械というのは、クローラーと呼ばれる検索エンジンを巡回しているボットのこと。

このボットは数億以上もあるコンテンツを毎時審査し、いわゆる「面白いコンテンツとそうでないもの」を仕分けし、審査をクリアしたコンテンツのみを人に届ける働きをしています。

つまりは、機械=アルゴリズムに見つけてもらわなければ、誰の目にも触れることはありません。

炎上さえもしないで終わることがほとんど

インターネットという不特定多数のいる世界に、ちょっとした批判コンテンツを出せば「炎上しちゃう」と思っていませんか。

実際には、炎上さえもしません。

炎上させるためには、という言い方もおかしいですが、一定数フォロワーもいて、アクセスがあるブログがあって、それなりに人数がいるネットワークを持っていることが条件です。

不特定多数のいる世界=簡単に埋もれてしまう世界

SNSもやっていない、継続的にブログも書いている訳でもない人が、簡単に炎上はしません。

不特定多数のいる世界というのは、逆に言えば「簡単に埋もれてしまう世界」なのです。砂場の中にあるたった一粒の砂を見つけるのが難しいように、あなたの作ったたった一つのコンテンツが世界中の人の目に留まるなんて、かなり確率の低い話だと思いませんか。

機械にさえ認められてないコンテンツは、炎上しようにも外部とのつながりがないのですから。

「面白いコンテンツ」ではなく「誰の役に立つコンテンツ」を

「じゃあどうしたら面白いコンテンツを作れるの?」と思うかもしれませんが、そこは諦めましょう。

それよりも、誰かの役に立つコンテンツを作っていくことをおすすめします。誰かの役に立つコンテンツとは、当たり前でありふれていることで構いません。

そして、特別な技術や深い知識を要するものでもないのです。

「大きく狙えないなら、意味がない」は大きな勘違い

「深い知識を要しないなら、多くの人に関心を持ってもらえないのでは?」と多くの人が疑問に思うでしょう。

確かに深い知識が必要な「短期間ダイエット」「初心者でも儲かる株式投資」といった巨大なニーズがある市場は魅力的ですが、いまやそこは情報の戦場。プロのメディアや大手企業が壁を作り、個人が簡単に割り込める隙間はほとんどありません。

むしろ大きく狙うことは、せっかく作ったコンテンツを捨てにいくようなものです。

「ちょっとした悩みを解決できる人」が、コアなファンを作る

それよりも、「夜ふかし中でも耳が疲れないイヤホンの選び方」や「スマホで撮った写真の色味を簡単に整えるコツ」のように、身近な悩みをサクッと解決できる内容で十分です。

例えば、あなたが通っているかかりつけ医は、どんな先生でしょうか。有名な大学を出た世界有数の医師でしょうか。

私が足繁く通うクリニックは、おじいちゃん先生で世界的に有名ではありませんが、小さな悩みを熱心に言いてくれる先生です。的確な診断というよりは、本当に些細な出来事にも「そっか、そっか。大変だったね」と真剣に聞いてくれる先生です。こんな医師は、貴重だと思っています。

このように「ちょっとした悩みを解決できる人」の方が、ファンがついたりするもの。まずは小さい市場から攻め、少しずつコンテンツ作成レベルを成長させていきましょう。

小さな市場から攻めた、マーク・ザッカーバーグの戦略

実際、マーク・ザッカーバーグも最初はハーバード大だけをターゲットにし、そこで「小さな成功」を積み重ねてFacebookを世界規模に育て上げました。重要なのは、あなたの身近の「ちょっとした困りごと」にフォーカスし、熱心なファンを獲得すること。

facebookは創業当初、ハーバード大学限定でサービスを公開し、学内コミュニティのみを対象に運用しました。サービス開始時は、使い勝手やエラーなどの混乱が起こりやすいもの。しかし、マークはこの方法で現場の混乱を抑えつつ、負荷を管理しながら質の高いフィードバック(反省点)を得ながら成長していきました。

マークは、自分がしたいことよりも、相手の欲しいものにとことん向き合いました。

そこからアイビーリーグ、米国内大学、全世界へと段階的に拡大し、成功事例を積み重ねて信頼を築きました。

収益よりも人との繋がりを優先した結果、大儲け

マークは最初にお金を稼ぐことを優先しませんでした。

なぜならば、もっとたくさんの人に安心して使ってもらう土台づくりが先だと考えたからです。たとえば、学校の学園祭でお店を出すとき、まずは「みんなが来てくれて楽しい!」という雰囲気を作るのが大事だと考えたのです。

フェイスブックでは、まずはユーザー数を増やし、つながりやすさや使いやすさを徹底して整えたあとで、広告や便利な機能を少しずつ収益化していきました。

多くのユーザーが毎日使ってくれるようになってから収益化したほうが、サービスも長く続けられると判断したというわけです。

小さく始めて確実に成長させる手法が確実

このように、小さく始めて確実に成長させ、適切なタイミングで収益化するフェーズ戦略が、Facebookの成功を支えたのです。

マーク・ザッカーバーグから学ぶべきことは、小さく始めて少しずつ直しながら大きくすること、そして必要最低限な機能を整えること、さらに小さな輪を大切にして広げることです。これを真似すれば、多くの人に役立つサービスが作れます。

つまりは、いわゆる「痒いところに手が届く」コンテンツこそが、飽和する情報海で確かな足跡を残す手法と言えます。

小さなニーズに応えることで、あなたのコンテンツは機械に認知され、人の心にも届きやすくなります。

まとめ

人に必要とされるコンテンツとは、面白いものでもなく、世界的な大発見でもありません。世の中には、さまざまな情報がすでに溢れており、有益な情報を生み出すことは至難の技です。

本当に必要とされるコンテンツは、日常に溢れるちょっとしたお困り事を解決してくれるもの。それがどんなに些細なことでも、真剣に困っている人にとっては、心に刺さるコンテンツになるに違いありません。

まずは、身近にいる人の悩みを解決できるよう、毎日の「困った」に目を向けてみましょう。

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この記事を書いた人

東北在住。
子育てしながらアメリカVCでリモート勤務したのち、国立大学法人の広報に所属。全国の中小企業のweb事業支援として、リクルートや生活情報サイト、クリニックなどのオウンドメディア運用・分析なども請け負う。

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