キーワード選定を間違えるとアクセスが来なくなる!やり方と注意点

相談者

とりあえず記事を書けば、少しはアクセスが増えると思ったんですが。

記事を書く前に「キーワード」を決めていますか?

相談者

え?全く決めていません。それってダメなんですか?

「キーワード」を決めないと検索システムがあなたの記事を見つけられないのです。


ブログやコラムを書き始めたけれども、思ったほど読まれない。この場合、多くは文章の出来以前に、キーワード選定の段階でつまずいています。

どんなに良い記事でも、そもそも検索されない言葉を使っていれば、ユーザーの目に触れません。逆に、ユーザーの検索意図に合ったキーワードを選べていれば、同じ労力でも結果は大きく変わります。

まずは、いま書いている・あるいは書こうとしている記事のキーワードは何かを意識するところから始めてみてください。

目次

記事を書くときキーワード選定が重要な理由

なぜキーワードを選定しないと、読まれるものと読まれないものが分かれてしまうのか。それは、キーワードが記事に人を呼び込む鍵となるからです。ここからは、その土台となる考え方について、ご説明していきます。

理由1.ユーザーの検索意図と記事を結びつける「橋」になる

ユーザーは、悩みや知りたいことを検索バーに入力して情報を探しています。キーワード選定とは、その「入力される言葉」に合わせて記事のテーマを決める作業です。

相談者

何だ、そんな事ならやってますよ。大体のテーマを決めればいいんでしょ。

いいえ、それだけではありません。その後に続くキーワードによっても記事の方向性が大きく変わってくるのです。

例えば、同じキーワードでもその後に続くキーワードによって記事の方向性が違ってきます。

  • 「ホームページ 集客 できない」と検索する人
  • 「ホームページ 作り方」と検索する人


前者は改善方法、後者は立ち上げ方を知りたい可能性が高いため、同じ「ホームページ」の記事でも書くべき内容は変わります。

キーワード選定を通して、どんな悩みで検索している人に向けて書くのかを決めることで、ユーザーの意図と記事の内容をそろえやすくなります。

理由2.検索エンジンに「何の記事か」を伝えるシグナルになる

キーワードはユーザーのためのものだけではありません。

Google などの検索エンジンは、タイトルや見出しのキーワードを見て「このページは何について書かれているか」を判断します。

検索エンジンは、記事に書かれているキーワードから記事の内容を理解し、検索結果に記事を表示させます。検索結果に表示された記事はユーザーの目に止まりやすくなります。

ここが曖昧だと、検索エンジン側もどの検索結果に出せばよいか判断しづらくなり、結果として検索結果への表示回数が減ります。

理由3.今後記事を書くための指標になる

やみくもに記事数を増やす方法は、一昔前のやり方。
現代では、量よりも「どのテーマにどれだけ集中するか」の方が重要になっています。

キーワード選定をしないまま書き続けると、

  • 似たテーマの記事が増えすぎて、サイト全体の軸がぼやける
  • どの記事がどのキーワードを狙っているのか分からなくなる

という状態になりがち。

最初にキーワードを決めておけば、「このページはこのキーワードの担当」という役割分担ができ、少ない記事でも成果を出しやすくなります。

キーワード選定してないと起こるリスク

逆にキーワードを決めずに書き始めると、とりあえず書いたけれどアクセスが出ない記事が増えていきます。このセクションでは、そのとき水面下で何が起きているのかを具体的に見ていきます。

1.誰も検索していないテーマに時間を使ってしまう

よくあるのが、「自分が書きたいテーマ」だけを頼りに記事を量産してしまうパターンです。

例えば、自社のサービス名だけを前面に出したキーワード社内でしか通じない専門用語だけを使ったキーワードをメインにしてしまうと、そもそも検索されません。

キーワードを決めるときは、ありがちでつまらないと思っても、一般的に検索されそうな普通の言葉をキーワードにしましょう。

2.集客したい層とは違うユーザーが集まる

キーワード選定を誤ると、「人は来ているが、欲しい顧客層ではない」という状況も起こります。

例えば、「コワーキングスペースのレンタル」記事に人を集めたいのに「今日食べたランチ」「家族で行った温泉旅行」といったキーワードで記事を書き続けると、全く関係のない記事にアクセスが集まり、いつまで経ってもレンタルに申し込みは来ません。

キーワードは「どんな温度感のユーザーが集まるか」を左右するスイッチでもあります。ここを設計せずに記事を書き始めると、アクセスは増えても売上にはつながらない、という結果になりやすくなります。

3.似た記事が増え、サイト全体の評価が分散する

キーワードを決めずに記事を書いていると、同じようなテーマの記事が何本もある・タイトルは違うが、中身がほとんど同じといった状態になりがちです。

検索エンジンから見ると、「どの記事をそのキーワードで上位表示すべきか」が分からず、評価が分散します。

いわゆる「カニバリ(自社記事同士の食い合い)」が起こりやすくなり、結果としてどの記事も中途半端な順位にとどまります。

【具体例付き】キーワード選定のやり方

相談者

キーワード選定の大事さはわかったのですが、実際にどうしたらいいんですか。全く分かりません。

実際にやってみましょう!

例として「地域のおにぎり屋(おにぎり専門店)が、自社サイトのコラムで集客したい」ケースを想定してキーワードを選定してみましょう。

キーワード選定のやり方【1ページ分を具体例で解説】

ここからは、「サイト全体」ではなく「1ページだけ」に絞ってキーワードを決める手順を整理します。
ページ単位で考えたほうが、やることが明確になり、手も動かしやすくなります。例として「地域のおにぎり屋(おにぎり専門店)」が、新しくコラムページを1本作るケースを想定してみます。

手順1.このページで「何を伝えたいか」を一文にする

記事を書き出す前に、まずはページの役割を決めていきましょう。

例えば、おにぎり屋さんの場合は、以下のような目的を決めていきます。

  • 忙しい会社員向けに、テイクアウトのおにぎりランチの魅力を伝えるページ
  • 子ども向けのおにぎりの具材選びと保存方法をまとめたページ

このページを読んだ人に、どう動いてほしいかまで決めておくと後が楽になります。
「近くにいる人なら来店してほしい」「ずはメニューを見てほしい」など、読んだ人がどんな行動をとって欲しいのか決めていきます。

手順2.想定する読者を一人に絞る

次に、「このページは誰に読んでほしいのか」を具体的に決めていきましょう。

このターゲットとなる人物像を決めていかないと、キーワードも内容もぼやけ、誰に読ませたい記事なのかわからなくなってしまいます。

例えば、以下のようなイメージです。

  • 駅近くのオフィスで働いていて、昼はコンビニで済ませがちな30代
  • 子どものお弁当作りに悩んでいる親

「誰に向けたページか」が固まると、その人が検索窓に打ち込みそうな言葉を想像しやすくなります。

①の場合であれば「歯に海苔がくっつかないようなおにぎり」「昼休み時間内に提供できる速さ」などを売りにする内容がおすすめです。②であれば、「子供向けメニューの紹介」「栄養バランスが整っている」などをアピールした記事作成がおすすめです。

基本的には、1ページにつき1紹介です。たくさん紹介したいときは、別ページに展開していきましょう。

手順3.その人が実際に検索しそうな言葉を3〜5個書き出す

ここでようやくキーワード候補を出します。ポイントは、「自分が使いたい言葉」ではなく「相手が実際に打ち込みそうな言葉」を書くことです。

おにぎり屋の例で「会社員向けランチ」であれば、

  • おにぎり ランチ テイクアウト
  • おにぎり ランチ 安い 〇〇駅
  • おにぎり 専門店 ランチ 時間ない

子ども向けであれば、

  • おにぎり 具材 子ども 人気
  • おにぎり 弁当 保存 方法 朝作る

などが候補になりそうです。ここでは完璧さを求めず、「それっぽい言葉」を3〜5個出せれば十分です。

手順4.サジェストや関連キーワードを見て、メインとサブを決める

書き出した候補を、実際にGoogle の関連キーワードなどで確認します。

関連キーワードとは、例えば「おにぎり ランチ」で検索した時にページ下部に出てくるキーワード群のこと。これはユーザーが実際に検索しているキーワードが出てきます。

「実際に検索候補として出てくるか」「どんな組み合わせがよく使われているか」をざっくり見てみましょう。

そして、そのページで狙うキーワードを次のように決めます。

  • メインキーワード:1つ
    例:おにぎり ランチ テイクアウト
  • サブキーワード:2〜3つ
    例:おにぎり ランチ 安い/おにぎり 専門店 〇〇駅

メインは「タイトルと大見出しで必ず使う言葉」、サブは「本文や小見出しの中で自然に使う言葉」と考えると整理しやすくなります。

手順5 タイトルと見出しにキーワードを配置する

最後に、決めたメインキーワードを、タイトルと見出しにきちんと入れていきます。おにぎり屋の例で「おにぎり ランチ テイクアウト」をメインにした場合、以下のような記事が出来上がります。

  • タイトル案
    おにぎりランチのテイクアウトなら当店へ|忙しい日のおすすめメニューと選び方
  • 見出し例
    見出し1:おにぎりランチのテイクアウトメニュー
    見出し2:テイクアウトに向いているおにぎりの具材
    見出し3:時間がない日の定番3パターン

このように記事を書いていくことで、「このページはおにぎりランチのテイクアウトについて書かれている」と検索エンジンとユーザーの両方に伝えやすくなります。

キーワードを選定するときの注意点

キーワード選定の基本ステップが分かったところで、「やりがちな落とし穴」を押さえておきます。ここを避けるだけでも、無駄な記事づくりをかなり減らせます。

広すぎる定義の「ビッグキーワード」ばかり狙わない

広すぎる定義の「ビッグキーワード」とは、いわゆる検索数の多いキーワード(例:ホームページ、リフォーム、グルメ)のこと。これらのキーワードは確かに検索需要が大きいのですが、初心者がこれだけを狙うのは危険です。

  • 競合が非常に多い
  • 検索意図が広すぎて、記事の方向性が定まりにくい

といった問題が起きます。

基本的には、2〜3語を組み合わせたロングテールキーワード(例:ホームページ 集客 方法、おにぎり テイクアウト 駅名)などを軸にしたほうが、検索意図がはっきりし、コンテンツも作りやすくなります。

自社の用語ではなく「ユーザーの言葉」で選ぶ

社内で普通に使っている言葉が、そのまま検索キーワードになるとは限りません。ここでずれると、「社内ではしっくり来ているのに検索では誰も探していない」という状態を作ってしまいます。

例えば、「プレミアムライスボール」「アートおにぎり」といった表現よりも、ユーザーは以下のようなのような言葉で調べているかもしれません。

  • プレミアムライスボール → :具だくさん おにぎり
  • アートおにぎり → 映える おにぎり

実際の問い合わせメールや店頭での会話、アンケートなどから「お客様がそのまま口にした言葉」を拾い、それをもとにキーワード候補を作ることが重要です。

一つの記事にキーワードを詰め込みすぎない

「せっかくなので、この記事で全部のキーワードを狙いたい」という発想も危険です。欲張るほど、記事の軸がぼやけていきます。

  • おにぎり テイクアウト
  • おにぎり 保存 方法
  • おにぎり レシピ 人気

といった、検索意図の違うキーワードを1記事でまとめて狙うと、内容が散らばり、どのキーワードに対しても中途半端な記事になります。

原則として、1記事につき、メインキーワードは1個に絞り、もっと書きたいのであれば別記事に配置するのが安全です。これを「書き分け」と言います。

サイト全体のテーマとの一貫性を意識する

キーワード選定は、1本1本の記事の話で終わりません。すべてのキーワードが集まったときに、「そのサイトは何の専門家として見えるか」を左右します。

  • サイトの主なテーマは何か(例:おにぎり専門店としての情報発信)
  • どのカテゴリで、どんなキーワードを集中的に扱うか(メニュー紹介、保存方法、こだわりの米・具材など)

といった視点を持たずにバラバラに選んでいくと、「何のサイトか分からない」状態になります。

まずは大枠のテーマとカテゴリを決め、そのなかにキーワードを配置していくイメージで設計するとブレずに、サイトがまとまっていくでしょう。

まとめ|まず「今ある記事のキーワード」を言語化してみる

相談者

キーワードは記事のテーマという意味だけではなく、集客にもつながっていくんですね。

はい、キーワード選定を間違えるとWebページで集客はできなくなります。しかし、最初から難しく考える必要はありません。1ページにつき1テーマを決めて、内容を書いていきましょう。

相談者

分かりました。まずはテーマを決めて記事を書いてみます。

最初は6割程度の完成度で構いません。後で修正すればいいので、まずは方向性を決めて作ってみましょう!

キーワード選定は、記事を量産する前に必ず通るべき工程です。

  • ユーザーの検索意図と記事を結びつける
  • 検索エンジンに「何の記事か」を伝える
  • 限られたリソースで成果を出すためにテーマを絞り込む

という役割があります。一方で、キーワード選定をしないまま進めると、

  • 誰も検索しないテーマに時間を使ってしまう
  • 集客したい層とは違うユーザーばかり集まる
  • 似た記事が増え、サイト全体の評価が分散する

といったリスクが高まります。

いきなり完璧なキーワード表を作る必要はありません。

まずは、すでに公開している記事のタイトルを一覧にしたり、それぞれ「どんなキーワードを想定した記事なのか」を書き出すところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

東北在住。
子育てしながらアメリカVCでリモート勤務したのち、国立大学法人の広報に所属。全国の中小企業のweb事業支援として、リクルートや生活情報サイト、クリニックなどのオウンドメディア運用・分析なども請け負う。

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