Screaming Frog SEO Spiderは、Screaming Frogという海外のSEOの会社が提供している無料ツールです。
Webサイト内のページやリンクを自動で巡回し、構造や問題点をまとめてチェックできるツール。初心者から専門家まで、多くのユーザーに活用されています。
リンク切れ、重複タイトル、設定ミスなどを一括で発見できるため「どこを修正したらいいかわからない」という問題を一発解決でき、SEO対策にとって非常に心強いツールでもあります。
今回は、そんなScreaming Frog SEO Spiderの便利機能について、ご紹介します。
Screaming Frog SEO Spiderは、簡単に使えるサイト診断ツール
Screaming Frog SEO Spider(スクリーミングフロッグ)は、Webサイトの中身をくまなく調べてくれる「サイト診断ツール」です。検索エンジン(Googleなど)のロボットと同じように、ページを次々と見てまわって、SEOの改善点を一覧で出してくれます。
Screaming Frog SEO Spiderはどんな時に使える?
たとえば「リンク切れ」「タイトルがないページ」「画像が重すぎる」「説明文が空欄」など、見落としがちな問題をしっかり見つけてくれます。表示もわかりやすく、一覧で整理されるので、どこから直すべきかすぐに気づけるのが特徴です。
このツールは、ページ数が多い大きなサイトでもしっかり調査できるので、個人ブログはもちろん、企業のサイトやECショップにもおすすめです。無料版と有料版がありますが、無料でも最大500ページまで診断できます。まずはお試し感覚で始められるのが嬉しいポイントです。
有料版と無料版の違い
無料版でも基本的なSEO診断はバッチリ可能ですが、500ページ以上を調べたい場合や、より深い分析(たとえば重複チェックやGoogleアナリティクスとの連携)をしたい場合は有料版がおすすめです。年間の費用は約3万円台で、プロ向けツールの中では比較的安価です。
他のツールとのちがいは?
似たような診断ツールに「Sitebulb(サイトバルブ)」や「DeepCrawl(ディープクロール)」というツールもあります。Sitebulbはグラフや図を使って構造を見やすくしたい人向け、DeepCrawlはより技術的な分析に強みがあります。一方、Screaming Frogはとにかく軽くてシンプル。パソコンにインストールしてすぐ使え、初心者でも比較的始めやすいのが大きな魅力です。
Screaming Frog SEO Spiderの使い方3ステップ
トップ画面に調査したいURLを入力して「Start」ボタンをクリック。無料版でも500URLまで対応。
タイトルやメタ情報、リンクエラーなどが一覧表示され、問題箇所は色付きで見つけやすくなっています。
レポートはCSV/Excel形式で出力可能。社内資料や改善指示書にすぐ活用できます。
Screaming Frog SEO Spiderの9つの便利な機能
Screaming Frog SEO Spiderは、サイトの中をくまなくチェックして、SEO改善につながるヒントを与えてくれる強力なツールです。URLを入力するだけで、リンクの状態や見出しタグ、メタ情報、リダイレクトの動きまで、幅広い情報を一覧で確認できます。小規模なブログから数万ページを持つ大規模サイトまで対応しており、プロも現場で活用する実用性の高いクローラーツールです。ここでは、Screaming Frogでできる代表的な機能をわかりやすく紹介します。
1.リンク切れのチェック
Webサイトのリンクが正しくつながっていないと、ユーザーがページを見られず、SEO評価も下がってしまいます。Screaming Frogでは、リンク切れ(404エラー)やサーバーエラー(5xx)をすぐに発見できます。問題のあるURLと、そのリンク元まで一覧で表示できるので、どこを直せばいいかすぐにわかります。「Bulk Export」機能を使えば、リンク切れに関係するすべてのページを一括でCSV出力できるので、修正作業や開発者への共有もスムーズです。
2.ページタイトルとメタ情報の確認
検索結果に表示されるタイトルや説明文(meta description)は、読者がクリックするかどうかを決める重要なポイントです。Screaming Frogでは、全ページのタイトルとディスクリプションを一覧表示でき、長すぎる・短すぎる・抜けている・重複しているなどの問題点も自動で検出されます。文字数の確認や整理も簡単で、ひと目で改善すべきページを見つけることができます。
3.リダイレクトとCanonicalタグの診断
リダイレクト(転送設定)は正しく設定しないと、無限ループが起きたり、SEO評価が落ちたりする原因になります。Screaming Frogでは、リダイレクトの流れやチェーン(連続して転送される状態)をビジュアルで確認可能です。また、Canonicalタグ(重複ページの正規指定タグ)も一覧でチェックでき、ループしていたり矛盾していたりする設定ミスを見つけやすくなります。「Redirects」や「Canonicals」のレポート機能で、修正ポイントを明確に把握できます。
4.重複コンテンツの発見
Screaming Frogは、ページごとにタイトル・ディスクリプション・H1タグなどの内容を自動で比較し、重複している要素をリストアップしてくれます。特に同じ内容を複数のページに使っている場合、Googleからの評価が下がる可能性があるため、早めの修正が大切です。ツール上ではMD5アルゴリズムを使ってページを比較しており、精度の高い重複チェックが可能です。
5.見出しタグの構成チェック
SEOでは、ページ内の見出し構造も大事なポイントです。Screaming Frogでは、h1やh2タグの内容をすべて一覧で表示できるので、「h1がないページ」や「複数のh1があるページ」などの構造ミスをすぐに発見できます。見出しが整理されているかを確認することで、読みやすく、検索エンジンにも理解されやすいページに改善できます。
6.XMLサイトマップの作成
検索エンジンにサイト構成を伝えるのに使われる「XMLサイトマップ」も、Screaming Frogで簡単に作成可能です。最終更新日、優先度、更新頻度なども指定でき、「Sitemaps」→「XML Sitemap」から数クリックで完成します。画像専用のサイトマップ(Image Sitemap)も対応しているため、画像検索対策にも使えます。静的なサイトや手動管理のサイトに特に重宝する機能です。
7.JavaScriptサイトのクロール
最近のWebサイトでは、JavaScriptを使って動的に表示されるページが増えています。Screaming FrogではChromiumベースのレンダリングエンジンを内蔵しており、ReactやVue、AngularなどのJavaScriptフレームワークで構築されたサイトでも問題なくクロールが可能です。動的なページも正しく読み取れるため、表示されないコンテンツの見逃しを防げます。
8.Googleツールとの連携
Screaming Frogは、Googleアナリティクス(GA)、サーチコンソール(GSC)、PageSpeed Insights(PSI)などのツールと連携できます。クロールしたURLごとにアクセス数や直帰率、表示速度スコアなどの追加データも取り込めるため、より深い分析ができます。数字の根拠をもとに、どのページから改善すべきかの判断がしやすくなるのも大きなメリットです。
9.クロールの自動化と比較機能
Screaming Frogでは、定期的に自動でクロールを実行するスケジュール機能があります。たとえば毎週月曜日にクロールを走らせ、その結果をGoogleスプレッドシートに自動保存するといった使い方も可能です。また、過去のクロール結果と比較して「どこが変わったか」を確認する差分比較機能もあり、サイトの更新・改善の効果を追跡できます。ステージング環境と本番環境を比べるといった高度な分析にも対応しています。
Screaming Frog SEO Spiderはこんな人におすすめ
AhrefsやSEMrushなどが「外部対策や被リンク分析」に強いのに対し、Screaming Frogは「内部構造の棚卸し」に強みを持っています。そのため、以下のような人におすすめです。 SEO改善に取り組んでいるけど、何から直せばいいか迷っている人
ページ数が多くなってきて“全体の把握”が難しいと感じている人
社内・クライアント用に「サイト構造の診断レポート」を作成したい人
Screaming Frogを使うことで、サイト全体を効率よくスキャンし、エラーや重複、構造ミスといった問題点を一覧で確認できます。手動では見落としがちな部分もツールが自動で発見してくれるため、時間の節約にもなり、SEO改善の優先順位を立てやすくなります。特に、報告資料を作成する場面では、データをCSVで出力できる点も大きなメリットです。
Screaming Frog SEO Spiderを実際に使った人の声
「クライアントのサイト診断に使っています。5分で全体のリンク構造やエラー箇所が出てくるので、初回提案に必ず入れています。」(Web制作会社・30代)
「無料版でも500URLまで使えるので、自分のブログを改善するのに十分。titleタグの抜け漏れが一目でわかって助かりました。」(副業ブロガー・40代)
「canonicalの設定ミスに気づいたのがこのツールのおかげ。ずっと順位が上がらなかった理由がようやくわかりました。」(ECサイト運営・20代)
まとめ
SEO対策において、検索順位だけを見ても「なぜ上がらないのか」はわかりません。構造やタグ、内部リンクやエラー状況など、検索エンジンが評価する“見えない部分”を整えることがとても大切です。
Screaming Frogはその「見えない部分」を、専門知識がなくても明確にしてくれる強力なツールです。500URLまで無料で使えるため、まずは自分のサイトで試してみることから始めてみましょう。
「どこをどう改善すればいいのか?」を明確にしてくれるScreaming Frogは、SEOの第一歩として非常に心強い相棒になります。