「Webの0.2秒ルール」というものをご存知でしょうか。
ミズーリ大学が行った視線追跡調査によると、ユーザーが「ウェブサイトの良し悪しを判断する時間は、わずか0.2秒」と言われています。
どんなに輝かしい経歴やビジョンを掲げても、ユーザーに見てもらわなければ意味がありません。
そこで今回は、ネットで事業を魅せる方法について、ご紹介していきます。
企業のWEBマーケティングに共通する問題点
多くの企業(コーポレート)サイトは、マーケティングやセールスが軽視され、自社の紹介にとどまっています。
さらに、ブランディングについても、効果的どころか逆効果になっているウェブサイトがたくさんあります。
とはいえ、ほとんどのウェブサイトの問題点は共通しています。
WEBマーケティングとは、これらの問題点をどのように解決するかを分析し考えることから始まります。
1、ホームページとチラシは全くの別物
テレビやラジオの広告は、視聴者がその企業やその商品・サービスに関心がなくても、無理やり見せられるものです。
しかしホームページは、基本的に偶然開くことが、あり得ないメディアです。
あなたのチラシを「偶然」目にしたり、モデルハウスや現場見学会に「偶然」通りかかって来場される人はいるかもしれませんが、あなたのホームページに「偶然」たどり着く人はほとんどいません。
前提として、チラシとホームページはメディアの性質が違います。
メディアの性質が違うホームページでは、デザインの細かい部分や見た目などで興味を引こうという外面的な部分の完成度を高めても、効果が少ないことがほとんどです。
2、ホームページは「アート」ではない
ホームページにおけるデザインとは、見た目の「アート」的な要素ではありません。
単に見た目を美しくすることではなく、ユーザーにとって使いやすい・理解しやすいことが何よりも大切です。
色やレイアウトを決めるとき、事業者の好みを優先するのではなく、ユーザーのニーズに応えるべきです。
デザインはユーザーの興味を引きつけるフックとして機能させ、写真やテキストなどのコンテンツはユーザーを深く引き込むストーリーとして展開するべきです。
デザインとコンテンツのバランスが、成果につながる、いわゆる「良いホームページ」を作ります。
やってはいけない「ダメデザイン」
ここでいう「ダメデザイン」とは、見た目や使い勝手が悪いものです。
例えば、文字が小さすぎたり、色が不適切だったり、レイアウトがごちゃごちゃしていたりする場合などです。
これらの「ダメデザイン」は、ユーザーに不快感や混乱を与えるだけでなく、ビジネスにも悪影響を及ぼす可能性があります。
デザインをする際には、以下のポイントに注意してください。
- 文字は読みやすいサイズとフォントを選びましょう。また、背景とのコントラストも考慮しましょう。
- 色は目的やメッセージに合わせて選びましょう。また、色の数や組み合わせも適切にしましょう。
- レイアウトは整理整頓されているようにしましょう。また、余白やアラインメントも意識しましょう。
魅せるホームページの作り方
1、ユーザーと事業者の温度差をなくす
ユーザー視点でホームページを見たときに、企業ホームページの質や完成度はどう評価されるでしょうか?
自分がユーザーだと想像してみてください。
例えば、虫歯で悩んでいて、歯科医院を探しているとします。
そのときに、デザインやキャッチコピーで歯科医院を選びますか?
企業ホームページは、自社の人間が見て満足するためのものではなく、ユーザーが見て、興味や信頼を持ってもらうためのものです。
事業者にとって「オシャレでかっこいいページ」が、ユーザーにとって良い企業ホームページとは限りません。
重要なのは「自社目線・社内目線での完成度」ではなく、「ユーザー目線での完成度」です。
デザインや表現の細かい部分よりも、必要な情報が適切にわかりやすく提供されているかという点が大きく影響します。
2、ユーザーに「考えさせない」こと
多くの人は、ホームページの右上や会社概要をチェックすると思います。それは、そこに問い合わせ先として電話番号が書いてあるホームページが多いからです。
このようなユーザーの「慣れ」は「使いやすさ」に直結します。
特にネットショップの場合、右上に電話番号がなかったり、会社概要(運営会社について)へのリンクが目立たなかったりすると、商品を買う前に問い合わせをしたいユーザーはページから離脱してしまいます。
でも、小さくても電話番号が記載してあれば、ユーザーはページから離脱することなく問い合わせ先を見つけられます。
「他と違うことをしたい!」「デザインを優先!」という目的を持ってしまうと、そのベタな配置に納得できない事業者もいらっしゃいます。
しかし、ベタだからこそ使いやすいということも忘れないでください。
3、「なぜ、あなたのサービス(商品)をわざわざ買わなければいけない?」に答える
ユーザーが関心があるのは、商品ではなく自分自身です。
購入に至らないのは、ユーザーがサービス(商品)を購入した後の理想の自分を描くことができないからです。
ユーザーが商品に興味を持つのは、自分の課題や悩みの解消に使えそうで 「自分にとってメリットがありそう!関係がありそう!」と思ったときだけです。
自分の商品・サービスに自信がある人ほど、「商品の機能」「資格」「成分」「独自性」などを謳ってしまいがちですが、ユーザーにとっては、1ミリも興味はありません。
ユーザーが興味あるのは 「自分がどう良いカンジに変われるか?」ということ。なので、まずは商品の話ではなく、事業者がユーザーにとってどんな価値を与えられるのかを伝えることが大切です。
「あなたのサービス(商品)を買わなければいけない理由を3つ考えてみよう」
もし、買うべき理由がわからないときは、商品理由に「なので」をつけてみよう。
・高濃度のビタミンが配合されています。なので、肌が内側から元気になります。
・高性能なパソコンです。なので、起動が早くストレスが溜まりません。
効果的で魅力あるファーストビューの作り方
ファーストビューとは、ホームページを開いたときに見える部分のことです。
検索をしてクリックした時点で見える部分なので、そこからスクロールするか離脱してしまうかが分かれます。
トップ画面のファーストビューはとても重要な部分です。
キャッチコピーで「自分だ」と思わせる
ユーザーが「自分に関係のある情報」だと感じるキャッチコピーは、ファーストビューにおいて重要な役割を果たします。
自分事だと感じることで、ユーザーはサイトから離れにくくなり、コンバージョンにつながりやすくなります。
キャッチコピーで自分事だと感じさせるためには、ターゲットの属性やニーズに合わせて訴求することが必要です。「宮城県にお住まいの方へ」「3ヶ月で痩せたい方へ」などが具体的な例です。
さらに、キャッチコピーを限定的にすることで、より強い訴求力を持たせることができます。
例えば、「宮城県大崎市に住む30代後半の女性へ」というキャッチコピーは、該当するターゲットに対して強い関心を持たせるでしょう。
事業イメージに関係する写真を使用する
写真はテキスト以上の情報量を持っています。
インターネット上には、無料素材サイトが溢れていますが、事業の顔となる企業サイトに無料素材を使うことはおすすめしません。
写真素材を使うと、企業のホームページに関係のないモデルや場所が表示されることになります。これは当然のことですが、問題はそれに止まりません。
ホームページに興味を持ったクライアントが企業を訪れたとき、ホームページで見たイメージと現実のイメージに大きな差があると感じてしまうでしょう。
特に来店、来社を想定している企業は、このようなイメージの乖離を防ぐために注意が必要です。
企業の個性や魅力をしっかりとアピールしたいなら、実際に写真を撮影することがおすすめです。
まとめ:読みたくなるページを作って集客を増やそう
魅力あるホームページとは、以下のようなサイトです。
- 必要な情報をわかりやすく掲載する
- シンプルでベタなデザインがおすすめ
- 事業をイメージさせる写真を使用する
ユーザーは事業者の「意図」を汲み取ってはくれません。
事業に対して様々な想いやビジョンがあるかとは思いますが、まずはユーザーにとって「あなたはどんな価値を与えられるか」を明確にし、シンプルな言葉でサービス(商品)を伝えていきましょう。
ここまでご説明した部分で、わかりにくいこと・理解できなかったことがありましたら、お気軽にお声がけいただけますと、嬉しいです^^
※この内容は2024年1月29日に大崎市商工会議所にて講義した内容です。
One Shot セミナー|Osaki Co-working Space alata

